構造的アプローチ:ウィリアムソンの特性因子論
エドムンド・ウィリアムソン(Edmund Griffith Williamson,1900-1979) 。20世紀のアメリカのカウンセリング心理学の確立に大きな貢献をした心理学者。特に思春期・学生期にあるクライアントの『発達心理学的な問題・進路選択上の悩み』などに関心を持ち、『学校カウンセリング・学生心理相談』の分野を発展・普及させた。
能力や持っているスキル・パーソナリティなどその人を構成する特性と、仕事内容や仕事に必要な因子の両者をうまく一致させることが、良い職業選択や職業適応をもたらすというマッチング重視の考え方です。
加えて、キャリアに関する課題は「選択しなかったことによる課題」「不確かな選択」「賢明でない選択」「興味と適性のずれ」の4つに分類でき、それらは事前に予測することが可能だとしています。そして、現在抱えるキャリアの課題が、この4分類のいずれに該当するかを判断した上で、次の段階を踏むことが重要だとしています。
ウィリアムソンの理論の特徴は「心理テスト・心理アセスメントの結果を用いる」にあると言われています。客観的な基準や統計的な根拠があるカウンセリングを理想とし、以下のような6段階プロセスによる実施を提唱しています。
余談になりますが、近年、転職支援サービスを提供する各社で、人工知能(AI)でマッチングの機能を代替するサービスが始まっています。例えば、登録時にアセスメントに該当する情報を取得(あるいは求人閲覧情報やそれに対してユーザーが入力した評価データを活用)することで、1to1のマッチングを高い精度で効率的に実現できるそうです。
そうなるとキャリアカウンセラーが提供する価値は、アセスメントの精度を高めるための客観的なガイドや、フォロー・アップに該当するコーチング的要素にシフトしてくるのかもしれません。