E.フリーエージェント社会の到来 新装版---組織に雇われない新しい働き方
フリーエージェント社会の到来 新装版---組織に雇われない新しい働き方
ダニエル・ピンク (著)
全5部、19章で構成されています。
第1部 フリーエージェント時代が幕を開けた
1.組織人間の時代は終わった
2.全米の4人に1人がフリーエージェント!という衝撃
3.デジタル・マルクス主義が蔓延する
第2部 働き方の新たな常識とは
4.これが新しい労働倫理だ
5.仕事のポートフォリオと分散投資を考える
6.仕事と時間の曖昧な関係
第3部 組織に縛られない生き方もできる
7.人との新しい結びつき方がある
8.利他主義で互いに恩恵を受ける
9.オフィスに代わる「サードプレイス」
10.フリーエージェントに役立つ新ビジネス
11.「自分サイズ」のライフスタイルをみつけよう
第4部 フリーエージェントを妨げる制度や習慣は変わるか
12.古い制度と現実のギャップは大きい
13.万年臨時社員の実態と新しい労働運動の始まり
第5部 未来の社会はこう変わる
14.「定年退職」は過去のものになった
15.教育はテイラーメードでできるようになる
16.生活空間と仕事場は緩やかに融合していく
17.個人が株式を発行する
18.ジャスト・イン・タイム政治が始まる
19.フリーエージェントで未来は大きく変わる
概要が推測できる丁寧の目次であるため、紹介は最小限のポイントに留めます。
「組織」か「個人」か。そんな二者択一を軽々と飛び越えてしまう存在。組織をうまく活用しつつ、同時に個人としての自由と成功を謳歌する人を、本書では「フリーエージェント」と呼んでいます。
フリーエージェントには「フリーランス」「臨時社員」「ミニ起業家」の3つのタイプが存在し、米国ではそれぞれ1,650万人、350万人、1,300万人で合計3,300万人が該当するとされています。大切にする価値観は「自由」「自分らしさ」「責任」「自分なりの成功」で、満足が得られる意味ある仕事の条件でもあります。
こうしたフリーエージェントを生み出す4つの要素が挙げられています。
経済の「子ども(依存)時代」の終焉
小型で安価な生産手段(テクノロジー)の登場
経済の繁栄(による仕事のやりがい追及)
組織の短命化
時間・場所・ネットワーク・ルール・価値観に捉われない新しい働き方・ライフスタイルの可能性が語られると共に、フリーエージェントをサポートする新たなビジネスチャンスも述べられています。
フリーエージェントという概念は、全く新しい距離のあるものではなく、身近にそのような生き方をしている数名が思い浮かぶほどに現実化されているものです。それを改めて定義し、特徴を整理することで具体的なイメージを与えてくれます。
フリーエージェントが増加する社会背景にも目を向けながら、想定される周辺ビジネスの台頭、ライフスタイル全般の変化など、フリーエージェントを起点に起こりうる変化が幅広く描かれています。
著者ダニエル・ピンク氏およびその家族が、アメリカ各地のフリーエージェントにコンタクトを取り、実際に会いに行き調査を進めているため、リアリティのある具体的な事例が豊富に掲載されています。