自分を変える2つの要素
You must be the change you wish to see in the world.
世界を変えたければ、まず自分がその変化になりなさい。
有名すぎるガンジーの言葉ですが、今の時代を生きる私たちにも変わらずズッシリとした重みを与える一言です。
世界を変えるという言葉を“世界規模で何かを変えること”ではなく、“自分以外の何かに影響を与えること”と解釈すれば、私たち一人ひとりにも世界を変える力が備わっていて、自分自身を変化の起点にすることができます。
エネルギーが湧きお越しわくわくさせてくれる、私が好きな言葉の一つです。
私は「転職支援」のビジネスと「リーダー教育」のビジネスを経験させてもらいました。前者は環境を変えて自分を変える機会の提供、後者は自分を変えて環境を創り出す人材の輩出と表現でき、いずれも「自分を変える」手段であることがわかります。
自分を変える手段には、能力開発と機会獲得の2要素が含まれているかと思います。能力を開発した結果として機会の獲得につながることも、先に機会が訪れ挑戦した結果として能力を獲得することもあり、2要素は互いに影響を及ぼし合っています。
前者の事例はビジネススクールに通う社会人学生を見ていると顕著で、営業職からマーケティング職、国内営業から海外営業、大手企業管理職からベンチャー企業役員など、経営を疑似的に学ぶことでより経営に近いポジションへの機会が開かれています。またM&Aプロジェクトや子会社再生案件などの挑戦機会にアサインされる学生も珍しくありません。
後者の事例は、部署異動や転勤、転職など環境がガラリと変えた経験をお持ちの方なら体感値としてお持ちなのではないでしょうか。仕事内容もさることながら、ルール・文化、人間関係、社内システムなど全てが新しい環境では、望まなくとも鍛えられます。転校をきっかけに子供が大人びるという話も該当するかもしれません。
余談ですが、私が転職をしたときには「環境を変えてこそ、変われる自分が存在する」ことに気付かされました。
わかりやすい例では、社内コミュニケーションや意思決定のスピード。1社目の会社は規模こそ大きいものの、新しい業界でベンチャー気質に溢れる組織だったので、それらのスピードは早いと思っていました。しかし、規模が1/10で全員が中途入社、戦略コンサルや商社・ITベンチャーなどで鍛え抜かれてきた精鋭が集まる2社目の会社のスピードは比べものになりませんでした。転職して半年は、1社目で何を学び身に付けてきたのかと切ない気持ちになったことを今でも思い出します。
もう一つあげると、東京と名古屋のビジネス環境の違い。東京から名古屋への転勤を経験しましたが、ビジネスマーケットの明らかな違いに驚きました。グローバルなマーケティング事例で、「ローカライズがグローバル展開のカギだ」などと学びますが、同じ国・都市から都市への異動でもここまでローカライズが必要なことは、体験無くして気付くことはできなかったでしょう。
冷暖自知(冷たい感覚も暖かい感覚も、自分で体感しなければ知ることはできない)を身を持って理解することとなった貴重な経験でした。
ビジネスパーソンが座右の銘に掲げることが多い、リクルート社の社訓「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」にもあるように、機会の獲得は自分を変えるために極めて重要です。
能力開発という準備により、偶然をチャンスの機会に変え、そのチャンスで自らを変える(能力開発し次の機会に備える)。このようなサイクルが自分を変えていくためには有効なのではないでしょうか。それは世界を変える小さな一歩になるかもしれません。
皆さんはどのような能力開発で、偶然の機会に備えているでしょうか。
訪れた機会をチャンスとして認識し、活かすことができているでしょうか。
世界を変えた実感に、日々満たされているでしょうか。