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B.ハーバード流 キャリア・チェンジ術


ハーバード流 キャリア・チェンジ術

ハーミニア・イバーラ (著), 宮田 貴子 (著), 金井 壽宏 (著)

大きくは、以下の3編で構成されています。

●キャリア・チェンジ入門編

●キャリア・チェンジ実践編

●キャリア・チェンジの型破りな戦略

入門編では、キャリアチェンジの本質をキャリアアイデンティティー(※1)の修正であると定義した上で、実際に考え、行動し始めた場合に、どのような感情・出来事が自分に起こるのかを理論(モデル)化し紹介しています。

(※1)キャリアアイデンティティーとは、職業人の役割を果たす自分をどう見るか、働く自分を人にどう伝えるか、最終的には職業人生をどう生きるかを示すもの。

実践編では、実際にキャリアチェンジをするときに、具体的にどのようなアクションをどのような理由からとるべきなのかを紹介しています。

最後の型破りな戦略では、入門編・実践編で語られてきたことや本書に掲載されている39名の事例から見出された重要な指針を、新しいキャリアを見つけるための型破りな9つの戦略(※2)として整理しています。

  1. 行動してから考える

  2. 可能性を気軽に試す

  3. 矛盾を残す

  4. 小さな段階を積み重ねて大きく変わる

  5. 新しい役割を試みる

  6. なりたいと思う人を見つける

  7. きっかけを待つな

  8. ときには距離を置いて考えるがあまり長い時間はかけない

  9. チャンスの扉をつかむ

中・長期的にキャリアチェンジを検討されている方が、自分の状態や感情を客観視する参考としてオススメします。

正確にはキャリアアイデンティティーの確立を丁寧に考察し、モデル化しています。詳細は本書に譲りますが、「将来の自己像を探る」⇒「新旧のアイデンティティの間にとどまる」⇒「大きな変化の基盤」を築くの3つのプロセスを「過渡期のアイデンティティー」と表現し、自分自身になるために不可欠なプロセスだと説明しています。

従来のキャリアチェンジのように「就きたい仕事を認識してから行動する」のではなく、新しい世界や人間関係、役割を経験していく過程から答えを文字通り手探りする理論は、計画通りに進まない変化の時代に適しているものだと考えます。

事例と解釈の繰り返しで主張が述べられているため、具体的な事例を通して抽象的な概念を捉えることができ、理解が深まりやすい構成になっています。

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